こんな本を読んだ その236
・・・ 住処のお掃除と布団干しが中心の、スバラシキ主夫的生活を繰り返していたらあっという間に今年も残すところあと2ケ月。暇であることとか、単調な生活であることに対して「ワシはここでなにをやっているのか」といった自意識過剰な焦りを抱く、ということは最近は全くなくて、むしろこの凡庸さが心地よい。いや心地よく感じていていいのだと思うようになったのは、南木先生の著作をいっとき集中的に読んでからだ。このことと関連して、最近になって改めて考えるのは、「ワシは前の職場に居続けたらきっとうつ病になっていたろうし、今みたいに髪もたくさん残っていなかっただろうなあ(まあ、丸刈りだけれど)」ということだ。ホント、「捨てなければ得られないモノ(特に、無形の)」というものはあるのである。
それはそれとして。10月末の2日間で 道尾秀介著 「ソロモンの犬」 文藝春秋社を読んだ。先日の「片目の猿」に続いて、氏の本は3冊目。この「片目の・・・」の解説の中で、「作者はミステリというスタイルの中で人間を描いているのだ」といったことが書かれていたけれど、本作「ソロモンの・・・」はまさにそういうことなんですねと感じ入りながら気持ちよく通読。動物学者の間宮未知夫がいろいろなエピソードに巻き込まれるのかしらんと思っていたけれどもそうではない。その個性は際だっているけれど役回りは控え目で、あくまでも大学生4人のココロの動きが中心。なんともいたたまれない結末が用意されていることかと嘆息させられそうになるけれど、そこは氏のうまさの真骨頂ということで。なるほど。そういうことですかと納得しつつワシは深夜のお仕事に着手することが出来たのだった。いいなあ。道尾秀介さん。次々読まないと。
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